スト2 システム理論編
必殺技入力の性質
キャンセル
リバーサル
スーパー以後での連続技の打点
空中コンボ判定
着地のスキ
ガード不能
めくりと左右入れ替わり
特殊下段ガード
影縫い
同時理論
ピヨり
必殺技入力の性質
必殺技の入力システムについての理解
スト2の必殺技の入力がどのように判定されるのかを理解することは、複雑な入力を考える際に役に立つことがあるので、整理しておく。
階段上りの原則(勝手に命名)
必要なレバー入力(波動拳で言えば下)がされると、階段を上るように段階判定が上がる。制限時間内に次の入力(波動拳で言えば前下)がされるとさらに上がっていき、ある技の最終段階(波動拳で言えば3つめ)まで満たすとその技のボタン待ち受け状態となる。
1フレームで2段階進むことはない。ただし、最終段階のレバー入力とボタン入力は、同一フレームで構わない(一部の例外を除く)。
また、1つの必殺技について同時に2つの階段を上ることはできない(波動拳で言えば、下→前下→下と入力しても、波動拳の2段階目+波動拳の1段階目、という解釈はされない)。
なお、レバー入力の制限時間は一定ではない(波動拳では8〜14フレーム)。
独立性の原則
各キャラには複数の必殺技があるが、その判定は各技ごとに独立して行われる。
また、1つのレバー入力で2つ以上の技の入力として扱われる場合がある。
【具体例】Xケンで波動拳コマンド(ボタン含む)を入れた場合の、各技の段階判定
| 下 | → | 前下 | → | 前 | → | 小P |
波動 | ○−− | ○○− | ○○○ | −−− |
昇龍 | −−− | −−− | ○−− | ○−− |
竜巻 | ○−− | ○−− | ○−− | ○−− |
鎌 | ○−− | ○○− | ○○○ | ○○○ |
鉈 | −−− | −−− | ○−− | ○−− |
大外 | −−−−− | −−−−− | −−−−− | −−−−− |
裂破 | ○−−−− | ○○−−− | ○○○−− | ○○○−− |
溜め系の溜め完了後の扱い
溜め系は、例えば「横溜め→前」という表現がされるが、厳密には「横溜め→溜め解放→前」が正しい。階段上りの原則で言えば、横溜め、溜め解放、前の3つの入力が必要ということ。
溜め解放は、溜め方向以外であればどこでもいいので、必ずしもニュートラルでなくてもいい。ややこしいが「横溜め→前2フレーム」でも構わない(前入力の1フレーム目が溜め解放扱い)。
ボタン待ち受けの待ち時間
レバー入力が完了し、ボタン待ち受け状態になった場合、弱中強ごとに待ち受け時間リミットがあり、リミット内であれば当該必殺技が発動する。
リミットは、弱>中>強の順に長くなっているのが通常。スパコンは弱中強共通。
最も長い弱の受付時間が過ぎても、すぐ次のフレームから同じ必殺技の入力を受け付けているわけではなく、数フレーム待たないといけない(必殺技ごとにこのあたりの数字は異なる)。
入力再開
階段上りの制限時間がきれると、1フレームだけその必殺技の再入力が判定されず、その次のフレームから再入力が可能となる(念のためだが、必殺技入力として判定されないだけで、前進・しゃがみ・後退等がされないわけではない)。
また、必殺技を出した場合は、ボタンを押した次のフレーム後から再入力が可能となる。
【おまけ話】入力再開前の1フレームによる弊害
結論から書くと、歩き昇龍はきちんと入力しても出ない場合がある。具体的にみると、以下のとおり。
リュウ・ケンでレバーを前に入れっぱなしにすると、昇龍拳の第1入力がされることになるが、第2入力である下が入らずに一定時間が経過すると、1フレームだけ再入力が判定されず、その次のフレームからまた第1入力がされた状態となる。
その再入力が判定されなかったフレームに続けて下→前下と入れたとしても、最初の前入力が判定されていないので、昇龍拳コマンドとしては何も入っていないことになる、というわけ。
蛇足だが、うまい人が歩き昇龍をミスっているのを見た気がしないのだが…
なお、しゃがみっぱなし状態からの波動拳も同じ話ではあるが、こちらは出なかったという話は聞かない。これは、通常しゃがみガードしているので、波動拳の第1入力がそもそもされておらず、入力再開の問題になっていないと思われる。
また、溜め系で溜め完了後に溜めを維持している場合には、同様の問題は発生しない(制限時間はない扱いになっていると思われる)。
【具体例】Xケンでレバー前に入れ続けた場合の、昇龍拳の段階判定
1f目 | → | ?f目 | → | ?+1f | → | ?+2f |
○−− | ○−− | −−− | ○−− |
(?+2f目にレバー下に入れても、その前のフレームで昇龍拳の第1段階が消されているため、第2段階にならない)
キャンセルについて
キャンセルとは、通常技の戻りのパターン(バックモーション)を消してしまうことで、大きく分けて必殺技キャンセルと連打キャンセルの2つがある。スキが小さくなるので、連続技や連係などに多く使われる。
必殺技キャンセル
通常技に続けて必殺技を出すと起こる。バックモーションなしにすぐに続く必殺技が出るので、アッパー昇龍・足払い波動の他、様々な連続技に用いられる。プログラムの副作用として生まれたものなので、本来はプログラマーの意図したものではないのだが、利用価値が高いので残したとのことである。
必殺技キャンセルと一口に言っても細かく分けると二段階ある。第一のキャンセルとは、小波動拳などを撃とうとしたときに小Pの音とともに波動拳が出たり、小Pが一瞬見えてから波動拳が出るときがあり、この状態のことである(以下「空キャンセル」)。第二のキャンセルとは、小Pが当たってからバックモーションなしに波動拳が出る状態である(以下「ヒットキャンセル」)。
おそらく、必殺技キャンセルは必殺技を出しやすくするための設定のために生まれたのであろうと思われる。波動拳を例にとると、レバーでコマンドを入れたときにコマンド完成寸前に小Pを押して完成後に小Pを離したときに、律儀にしゃがみジャブを出すようなプログラムでは必殺技は出にくくなってしまうので、通常技が出てから一定時間内に必殺技が入力された場合は、その通常技を途中でもやめて必殺技が出るようにプログラムしたために起こる現象であると考えられる(スト1で必殺技が出にくいのはこの設定がないこともその一端であろう)。
初代スト2で必殺技キャンセルのかかる技のタイミングを調べてみると、空キャンセルの場合通常技のボタンを押してから5フレーム(5/60秒)以内に必殺技が入力されたときにキャンセルがかかっており、ヒットキャンセルの場合は19フレーム以内である(詳しくはデータ編参照)。この14フレームの差は、通常技を当ててからの動き(ヒットマーク・ガードマークの表示や、相手のよろめき表示など)があるためで、この処理をしているうちに必殺技が入力されていてもヒットキャンセルがかかるのである。
最後に、キャンセルをかけることのできる通常技について書いておく。空キャンセルは基本的に全ての通常技にかけられる。ただし、5フレーム以内に空中に浮いてしまう通常技には空キャンセルはかけられない。一方、ヒットキャンセルは特定の通常技にしかかけられない。その条件は、ボタンを押してから5フレーム以内(初代の場合)に相手にヒットする通常技であること、である(19フレームまで入力が受け付けられると書いたが、これはあくまで5フレームまでの間に通常技がヒットすることにより一瞬だけ時が止まるので、キャンセルがかけられるタイミングが19フレームまで引き延ばされるだけである)。逆にいえば、ヒットキャンセルのかかる技はかからない技よりも出が早いということである。リュウ&ケンを例にとると、キャンセルがかけられないのは立ち中K(ダッシュでは近・遠距離とも、ターボでは遠距離のみ)・ねりちゃぎなどであるが、これらの技を見ると、ボタンを押してから当たるまでに少し時間のかかる技であることがわかる。蛇足ではあるが、バージョンアップでキャンセルがかけられるようになった技というのは、出るまでの時間が短くなっている、という意味でもあるのである。
- ヒットキャンセルよもやま話:ヒットストップ中に強制キャンセル
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ヒットキャンセルがかかる場合、ヒット表示処理が終わった後にキャンセルがかかるのが普通だが、下記の技はなぜかヒット表示処理中にキャンセルがかけられる。連続技にすると、ヒットマークが2つほぼ同時に出たりして面白い。
・T・Sブランカのバーチカル
・Xブランカのグランドシェイブ
・D〜Sベガのヘッドプレス
・S・Xディージェイのマシンガン
連打キャンセル
連打の効く技は、連打することにより戻りのパターンが一部キャンセルされている。リュウの小足払いを例にとると、下小Kを連打した場合、1回目の足払いが出てから、最後のグラフィックが出て、しゃがんでいるポーズが出てから次の小足払いが出るのが本来であるが、それだと連打にならないために、最後の数枚のグラフィックは表示されずに、次の小足払いが出ているのである。小足払いと大足払いでは出るまでの時間はあまり変わらないが、小足払い×2は簡単に連続技になるのに対し、小足払い→大足払いは連続技にならないことからも、連打キャンセルの効果がわかる。
連打キャンセルは、屈伸を含めて行うことができるので、ガイルで下小P→立ち小P→下小P→立ち小P…や、エックスガイルに至っては下小K→ニーバズーカなどという連続技ができる。
連打キャンセルを行うと、必殺技キャンセルが封じられるという弊害がある。ガイルでいうと、下小Pソニックはヒットキャンセルがかけられるが、下小P×2ソニックはどうやってもヒットキャンセルできない。しかし、前述の屈伸を含めると、下小P→立ち小Pヒットキャンセルソニックなどができる。ただし、初代のガイルだけは屈伸を含めてもなぜかキャンセルできない。
これだけだと何の変哲もないシステムなのだが、他のシステムと併用することにより、恐るべき効果を発揮する。
なお、スーパーとXのべガで立ち小Kが連打できるが、これは実は連打キャンセルではなく、ただ単に戻りのスキが異常に短いだけである。立ち小K連打ダブルニーとかが平気で出せることからもわかる。おかげで立ち小K登り中Kという連続技もできる。ただし、この異常な立ち小Kは近距離のもののみ(軸足の角度を見れば近いか遠いかはわかる)。
連打キャンセルについては、小江戸マスターさんのページが詳しい。
- 応用編1:連打キャンセルジャンプ
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連打キャンセルには屈伸を含めることができると書いたが、屈伸だけでなくジャンプも交えることができる。密着から連打できる技を連打し、その戻りのスキをキャンセルしてジャンプし、まためくって相手を惑わせる、という使い方ができる。やり方は簡単で、下小P×2ジャンプの場合、下小P→下小P→上+小P、である。それぞれの下小Pの間隔が同じになるように押せばいい。
連打キャンセルジャンプの場合、ジャンプするときに押したボタンは攻撃としては出ない。具体的には、下小P→下小P→上+小Pを入力した場合、下小P×2→ジャンプになるのであって、下小P×2→J小Pが出るわけではない。逆にそれを利用して、ガイルで下小P×2→J大Kなどという連続技ができる。やり方は、下小P→下小P→上+小P→大Kで、上+小P→大Kはずらし押しのようなタイミングで行う。
- 応用編2:小K大P同時押し
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一見すると連打キャンセルと関係ない話のようだが、連打キャンセルと組み合わせると、連打キャンセルのタイミングで大Pが出せてしまい、とんでもないことになる。ただし、初代からターボまででしかできない(PlayStation版だと一部キャラでできるが)。
小Kと大Pの同時押しでは、五割の確率で小Kが出てしまうような気がするが、きちんと同時に押されていれば必ず大Pが出ることになっている。これを連打キャンセルと組み合わせると、下小K→立ち大Pなどを連続技でつなぐことができ、その立ち大Pにヒットキャンセルもかけられるので、ピヨり確定コンボができてしまう。やり方は簡単で、下小K→立ち大Pの場合、下小K×2のタイミングで下小K→5+大P+小K、と押すだけである。
これは、下小Kに連打キャンセルをかけて立ち大Pを出しているので、下小Kが連打キャンセルのきく技であることが条件である。また、立ち小Kに連打キャンセルをかけて下大Pを出すこともできるので、その場合は、立ち小Kが連打キャンセルのきく技であることが条件である。この条件を満たすことができるのは、リュウ、ケン、ガイル、バイソンである。しかし、バイソンの大Pはあまりに出るのが遅いため、同時押しを使ってさえ下小K→立ち大Pは入りづらく、これを使うくらいならダッシュアッパーで連続技にしてしまえばよいことなので、バイソンでの同時押しは必要ない。一応、屈辱技にはなる。
連打キャンセルのメカニズムを考えてみることにする。リュウ・ケンの場合、下小Kのあと立ち小Kを出すなら連打キャンセルがかかるが、下小Kのあとの立ち大Pは連打キャンセルが効かない。そこで、小Kと大Pを同時に押すことにより、連打キャンセルを効かせておき、しかも、同時に押すと大Pのほうが優先されて立ち大Pが出るという、一種プログラムの穴をついている。しかし、下小Kのあと下大Pで同時押しをしようとしても、下小K連打になるだけで下大Pは出ない。下小Kのあとは立ち大P、立ち小Kのあとなら下大P、というように屈伸を含める必要がある。屈伸を含めないとコンピュータがだまされないのであろう。
リュウ・ケンでは二通りの使われ方をされている。第一には、立ち小K小足払い立ちアッパー小昇龍(大波動)である。立ちアッパーのときに小Kと大Pの同時押しを行う。これは、起き上がり必殺技を出されにくい立ち小Kを敵の起き上がりに重ねておき、敵が必殺技や投げに失敗したら、その瞬間にピヨりが確定するという恐ろしい技である。なお、ケンでは小昇龍、リュウでは大波動で行う。起き上がりにおもむろにやってもよいし、跳び込んで、跳び蹴りを当てると思わせて小足払い立ちアッパー昇龍を出したり、空中竜巻で相手の対空技をスカして相手の裏側に着地して小足払い立ちアッパー昇龍、というやり方もある。しゃがみアッパーのほうが使いたい人は、立ち小Kのあと同時押しでしゃがみアッパーを出し、そのままレバーを前へ一回転して昇龍を出すのがよいが、入力が少しややこしい。第二にはめくりからのピヨらせ技で、具体的には、めくり大K小足払い×2立ちアッパーである。めくり蹴りのあと小足払いを連打すると相手をピヨらせることができるが、これでは確実でないので、小足払い2発のあとに同時押しで立ちアッパーを当てれば高確率で相手はピヨる。少し間合いが離れて大正拳になっても当たるので、相手キャラによっては小足払い×3立ちアッパーとすれば、さらにピヨる確率が上がる。
ガイルでは、小足払いアッパーソニック裏拳として使う。これも敵の起き上がりに使ってよい。また、画面端で相手をピヨらせたときは、しゃがみジャブソニック小足払いアッパーソニック裏拳などで一気に星星にまでもっていける。ただ、ガイルのこの連続技は画面端でないと裏拳まで入らないため、リュウ・ケンほどの使いやすさはないかもしれない。
なお、これらの同時押し連打キャンセルについては、「大P」と表記してあるものは一部を除いて「中P」又は「小P」と読み替えて構わない。
- 応用編3:連打キャンセル空キャンセル
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同時押しアッパーはターボまでは使えたが、スーパー以降は封じられることになったので、それを補う形で使われるのがこの連打キャンセル空キャンセルである。もちろん、ターボ以前でも使うことができ、実は今から考えるとベガでも応用がきいた。具体的には、下小K×2昇龍拳、下小K×2ダブルサマー、下小P×2クレイジーバッファロー、などの使い方がされる。
列記した連続技は、本来は連打キャンセルが入っているためにヒットキャンセルが封じられているにもかかわらず、ヒットキャンセルをかけているかのように攻撃をつなげることができるのである。当然、普通に目押しをしたら絶対につながらない。
どういうことかというと、下小K×2昇龍拳を例にとると、これは下小K×2の後に連打キャンセルをかけて立ち小Kを出し、その立ち小Kに空キャンセルをかけて昇龍拳を出している。操作は、右向きの場合、2+小K→2+小K→6→2→3→5+小P+小K、である。下小K×2の後に昇龍のレバー部分を入力し、立ち上がって小Kを押し、同時に押した小Pを放したことにより昇龍が出るのである。
連打キャンセル空キャンセルを使って効果があるのがヒット確認である。小足払いを2回出しておいて、その間にヒットしているかガードしているかを判断して、ヒットしていたら昇龍につなげ、ガードしていたら投げるなどの他の行動に移るのである。
スーパーコンボキャンセル
エックスになって各キャラに追加されたスーパーコンボも、普通の必殺技と同じく通常技にヒットキャンセルをかけて出すことができる。しかし、様々な理由により、キャンセルをかけるのが難しい。普通にキャンセルをかけようとしても出ないものと思ってよい。
単純に考えると、コマンドが長いのでキャンセルするタイミングに間に合わないからと思われるが、リュウ・ケンの立ちアッパー昇龍が簡単に出るのに対し、立ちアッパー昇龍裂破などが全く出ないのは腑に落ちないものがある。これについては、スーパーコンボに関しては、通常技が出てからキャンセルがかけられるまでの受け付け時間が短いのではないか、と考えられる。
もう一つ触れなければならないことがある。それは、スーパーコンボでしかキャンセルをかけられない通常技がある、ということである。スーパーキャンセルとか無理キャンセルとか呼ばれるものである。これもあわせて考慮すると、スーパーコンボに関しては、キャンセルタイミングは通常必殺技キャンセルより遅めでよいが、ヒット処理等によるタイムラグは計算されないということだと予想される。
前述のとおり、通常のキャンセルについては、通常技が相手に当たってヒットマーク表示やヒットバック等の処理がされている間にもキャンセルを受け付けている、言い換えれば、通常技が出てからのキャンセル受け付け有効時間はゲーム進行上の時間で判定しているが、スーパーコンボキャンセルの場合は物理的な時間で判定している、ということである。
具体論に入ることにする。スーパーコンボキャンセルをかけるときには、先行入力法を使う。中足払い真空波動の場合、右向きなら、2362中K36小P、といった形で行う。つまり、コマンド入力の途中で通常技を出すようにするのである。
また、特に溜め系のスーパーコンボでは、連打キャンセルとの複合法が使われる。しゃがみ小P×2立ち小Pクレイジーバッファローの場合、右向きなら1_小P小P646小P中P、となる。小P×2で連打キャンセルをかけて必殺技キャンセルを一時封印し、そこでスーパーコンボのコマンドを完成させて立ち小Pを出して封印を解き、キャンセルクレイジー。タイミングとしては、3回の小Pの間隔が同じだと思うとよい。すべて連打キャンセルのタイミングである。なお、中Pを押しているのは、小P離し・中P押し・中P離しの3回のキャンセルチャンスを作るためである。
これらが合わさっているのがガイルやフェイロンである。それぞれ1_小P小P34小P7小K、5小P小P2362小P36中P、となる。連打キャンセルを使いつつ、先行入力がなされている。
リバーサル
攻撃を受けたりガードしたりして自分が硬直した直後に必殺技を出すことをリバーサルという。スーパー以降はリバーサルに成功するとボーナス点が入る。
この場合の必殺技の入力猶予は1フレームで、先行入力などは効かない。
起き上がりと投げ
相手の起き上がりへの攻めはスト2では常識だが、そのうち跳び込みと並んで代表的なものとして「足払い重ね」がある。これに対し、重ねられた側は起き上がりと同時に投げで返したくなるが、これはどちらが有利なのか。
投げ返しは完璧に行えば必ずできることになっている。必殺技ではないが起き上がりリバーサル投げである。
しかし、起き上がり投げが成立するのは1フレームのみなので、実戦でチャレンジするのはなかなか怖い。そこで、リュウ・ケンのように投げボタンが複数あるキャラは、ずらし押しすることで成功確率をアップさせることができる。
また、必殺技の投げも当然リバーサルで出せる。しかし、初代ではリバーサルスクリューがないので、逆にリバーサル通常投げを使うことになる。
スーパー以後での連続技の打点について
ターボまでは、跳び込みから連続技を狙うときは、できる限り打点を低くするというのが基本であった。打点を高くすると相手がのけぞって後ろへ下がるため、その下がる度合いを少なくするために、低く当てて着地後すぐに地上技を当てる、ということが求められていたのである。
ところが、スーパーになってからはその常識が覆された。打点を低く当てると連続技がなぜか入りにくく(離れてスカる)、ぎりぎり連続でつながるくらいに跳び込みを高く当てると、そのあとの連続技が入るようになっている。相手ののけぞりなど、今までの考え方ではどうも納得がいかない。
サンプルデータとして、以下のものを挙げる。
初代スト2でリュウvsザンギ | 正面から打点低い跳び込み大Kアッパー昇龍 | スカる |
正面から打点高い跳び込み大Kアッパー昇龍 | ヒットする。 |
Xのガイル対ガイル | 垂直大Pアッパーサマー | スカる |
跳び込み大Pアッパーサマー | ヒットする。 |
垂直大P(一拍待って)アッパーサマー(連続技にしない) | ヒットする。 |
スーパーのガイル対ガイル | 垂直大Pアッパーサマー | ヒットする。 |
これについて考えてみると、高く当てたほうがその後自分が斜めに降りていくから、着地後に間合いが詰まっていることが原因だと考えられる。空中技が当たるとその時点から相手がのけぞって下がるが、打点が低いとそのぶんの間合いを詰めないまま地上技につなげてしまうため、スカってしまうのであろう。ちなみに、離れたぶんの間合いを地上で詰めようと思っても、ジャンプ後は一瞬移動できないので、打点を高くするという結論に至ったものと思われる。
大元の原因を推測すると、ターボまではくらった瞬間にはヒットバック(攻撃が当たって間合いが離れること)していなかったが、スーパーからはすぐにヒットバックするようになった、ということのようだ。また、ヒットバックはある程度下がってから戻ってくるらしい。そうでないと、前掲の連続技にならないアッパーサマーの説明がつかない。
ガイル対ガイルがスーパーとXとで違うのは、スピードのせいではないようだ。ガイルのヒットバックモーションが変わったか、サマーの判定が変わったかのどちらかだろう。いずれにせよ、本論とは無関係であると思われる。
空中コンボ判定について
エックスでは、一部の特殊な技により、空中でふっとんでいる相手に対して攻撃を当てることができる(いわゆる空中コンボ)。しかし、何でも当たるわけではなく、規則性がある。これについて述べておくことにする。
空中コンボの契機となる技には2種類あって、地上にいる相手であってもふっとばして空中コンボへもっていけるものと、空中にいる相手のみふっとばせるものがある。
| | 最大空中 ヒット数 | 特性 |
地上にいる相手も空中コンボ状態にできる技
| 打撃系スーパーコンボA | 4 | 契機:ものによる |
春麗の天昇脚
ディージェイの中ジャックナイフ
ディージェイの大ジャックナイフ
バルログのスカーレット
ゴウキの豪昇龍、竜巻(中or大)、空中竜巻 | 2 | 契機:1発目 |
サガットの大アッパーカット | 4 | 契機:2発目 |
空中にいる相手のみ空中コンボ状態にできる技
| 打撃系スーパーコンボB | 4 | 地上ヒットでは浮かない |
リュウのジャンプ中P | 2 | 1回で2度当てられる |
フェイロンの裂空脚 | 2 | |
べガのジャンプ中P | 2 | 1ジャンプで2度出せる |
A:裂破・鬼無双・千裂脚・ダブルサマー・烈火真拳・スピンドライブ・ソバカニ・クレイジー・ジェノサイド・ナイトメア
B:真空波動・グランドシェイブ・インフェルノ
最大空中ヒット数は空中コンボ状態になってからの最大ヒット数を表している。
これらの技を当てて相手を空中にふっとばすと空中コンボ状態になり、そこに最大空中ヒット数までの空中コンボが入れられるのだが、当てられる技もこの表の技のみである。
実際に計算すると、千裂脚→天昇脚の場合、千裂脚のラスト(6発目)が当たって空中コンボになり、空中最大ヒット数が2なので2発当たる、ということになる。また、ディージェイの中ジャックナイフ→中ジャックナイフでは、1回目の1ヒット目で相手が空中コンボ状態に入り、2ヒット目が空中で当たった後もう一回中ジャックナイフを出すと、空中最大ヒット数が2なので、1回だけヒットするわけである。
また、けっこう知られていないが、サガットの大アッパーカットは6段になる。大アッパーカット2発目が当たったところで空中コンボ状態になり、続けて3発当たるが、空中最大ヒット数が4なので、あと1発だけ当てられるのである。1回目で5発当て、相手が着地する前にもう一回アッパーカットを出すと1回だけヒットする。5発目が当たったところで相手が画面端に引っかかるくらいがちょうどいい。
なお、ダッシュのときにダルシムの空中やられに食らい判定があるのはただのバグであり、本論とは無関係(それはそれで面白いが)。詳細についてはバグ編に記載した。
着地のスキについて
例えば、リュウ・ケンでジャンプ攻撃を高めにヒットさせてしまって食らい投げをされそうな場合に、着地昇龍で投げを回避するという方法がとられるが、これはどれくらい有効なのだろうか。すなわち、ジャンプ攻撃から着地必殺技へはスキなくつなぐことができるのだろうか。
これについては、ジャンプして着地してから7フレーム(キャラにより違う可能性なきにしもあらず)の間は左右に動けないが、しゃがみ・ジャンプ・通常技(投げ含む)・必殺技を出すことによりスキを1フレームまで短くすることができる、ということのようだ。実際上は、空ジャンプやジャンプ攻撃高め当ての後の着地昇龍を投げることは極めて難しい、ということになるだろう。
なお、蛇足になるが、ジャンプで相手を跳び越した場合は着地後すぐ動けるということも判明した。振り向きによってスキを短くしている、ということなのだろうか。理由は不明である。
以下の空中技は、着地のスキをなくすことができる。着地に足払いなどを重ねられてもガードができる。
・初代〜エックス
春麗の踏みつけ(ヒットするまで)
・ターボ
リュウ・ケンの空中竜巻
・エックス
本田の垂直J大P、バイソンの垂直J大P、ベガの斜めJ中P(1発止め、2発出しとも)、ゴウキの斬空波動
これら(ターボの空中竜巻を除く)は、必ずしも技が完成する必要はなく、着地の直前にボタンを押す(技は出ない)でも着地のスキがなくなる。
なお、これも蛇足だが、春麗の踏みつけがヒットすると着地のスキが復活する。
着地の瞬間に両者が投げを入力すると、このようになる。
・通常の、着地のスキがある場合:着地側は何も出ず、地上側が投げるか通常技暴発の50%ずつ。
・上記の、着地のスキをなくす技を出した場合:着地側の投げが100%(いわゆる「スグソレ」)
・着地のスキのない必殺技の着地時:着地側は何も出ず、地上側が投げるか通常技暴発の50%ずつ。
これらは、正面落ち・裏落ちのいずれでも同じ結果になる。
また、着地ジャストから1フレーム遅れると普通の投げ合いになる(お互い50%)。
ガード不能について
初代ブッシュバスター、密着ローリング、リバーサルタイガーアッパーカット、CPU大昇龍、折檻後の大スラ・中スラ等々、ガードできないと思われる技がいくつかある。これらは本当にガードできないのだろうか。そもそもガードとは一体何なのか。
そもそもガードするにはどの方向にレバーを入れる必要があるのかを確定させておくことにする。一番極端な例が、正面を向き合っている状態で背中側から攻撃が来た場合である。これはどうすればガードできるのかというと相手のいない側にレバーを入れるのが正解である。これはレインボーで実験するのがわかりやすい。攻撃側が左から弱の飛び道具を撃ち、急いで右に回ると、ガード側(相対的に左にいる)は飛び道具に向かって(左に)レバーを入れることによりガードできるのである。
- CPU大昇龍
-
CPUケン(エックス)の密着大昇龍で「ガード方向にレバーを入れていたのにガードできなかった」という場合がある。
これは、全くの予想だが、次の項目にある「判定は1フレームで発生しているが、必ずガードできる」というシステムが、CPUに限っては何らかの理由で適用されないのではないか。そのため、ガード確率が1/2になる。
- 攻撃判定1フレーム発生
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具体的には、これらである。
・初代
ブランカのブッシュバスター、密着のローリング
・ダッシュ、ターボ
ザンギのダブラリ、ブランカの密着のローリング・バーチカル(ターボのみ)
・スーパー
リュウ・ケンの空中竜巻、ブランカの密着のローリング・バーチカル
・エックス
Sリュウ・Sケン・ゴウキの空中竜巻、ブランカの密着のローリング・バーチカル
これらは、技の攻撃判定が出るのが早すぎるため、ガード側がレバーを入れっぱなしでもガードが間に合わないことがあるからのようだ。ボタンを押した次のフレームには攻撃判定が出ており、そのフレームで攻撃側の処理が先に行われてしまうと(確率50%)、ガード側はまだガード体制に入っていないのである。
なお、以下の技は「判定は1フレームで発生しているが、必ずガードできる」という特性がある。
・Xケン、Sケンの大昇龍
・Xリュウ、Xケンの空中竜巻
これらは、システム上そのフレームでの攻撃側の処理を必ず後に(強制後攻め)するようにしているのではないかと予想している。本当は攻撃判定1フレーム発生の技は全てそのようにしたかったのではないだろうか(でも密着ローリングなどは処理し忘れ)。
- サガットのリバーサル(ダッシュ・ターボ)
-
これは完全に謎。バグといっていいかもしれない。
リバーサルで出された必殺技は、離れていてもガードできない。しかもガード不能率100%。
なお、タイガーショット上下は、ダッシュ基板・ターボ基板では100%ガード可能。ハイパーでは、出た瞬間に当たっていると50%の確率でガード可能。
- ダルシムの折檻後の大スラ、一部キャラのめくり(特に対バイソン)
-
ダルシムがリュウ・ケンを折檻した後の大スラはレバーをどこに入れてもガードできない。これはどういうメカニズムで起こっているのだろうか。
常に相手との位置関係を把握すればガード不能は存在しないはずであるのに、現実にはガード不能ができてしまっている。これについては、別の要素が関連していると考えられる。それはガードしているときとしていないときとの判定の差ではないかと考えている。ダルシムが左から右へ大スラをした場合を例にとると、リュウがレバーを左下に入れていれば単にノーガードなので食らってしまうが、リュウがレバーを右下に入れていた場合、リュウは一瞬ガードポーズをとるがそのガードポーズには大スラは当たらず突き抜けてしまい、リュウは振り向くことになるが、その振り向いた瞬間に大スラが当たっているのではないだろうか。
バイソンへのめくり(特にガイル・ディージェイあたり)も、似たようなことが起こっているのかもしれない。
めくりと左右入れ替わり
スト2における攻撃手段の1つとしてめくり(特に跳び込みのめくり)があり、順ガードなのか逆ガードなのかが判断しづらく、対戦時に非常に有効。
めくりのガード方向の判断の一助として、システム上の扱いを調べてみた。
(エックスで調査したが、おそらく初代から変わっていないのではないかと予想)
まず前提として、動かすキャラには中心位置が設定されていて、普通に立っている場合はだいたい足下の足の中央あたり。原則として、この中心位置が左にあるキャラは右を向き、右にあるキャラは左を向く。
左側にいるキャラが右側にいるキャラを跳び越す場合、途中で中心位置のX軸の左右が逆転することになるが、その瞬間に全ての左右が入れ替わっているわけではなく、めくりのガード方向はX軸が逆転して25ドット以上離れてから左右が変わるということになっている。
X軸が逆転した瞬間に左右が変わるものと、25ドット以上離れてから変わるものを整理した。
X軸が逆転した瞬間に左右が変わるもの
・技の入力方向(溜め方向も含む)
X軸が逆転して25ドット以上離れてから左右が変わるもの
・キャラの向き(ジャンプ中を除く)
・技が出る方向
・ガード方向
・食らい判定・攻撃判定など
ガードできないめくり疑惑
「上手い人のめくりは、順ガードしても逆ガードしても食らう」と言われることがあるが、これは真実かどうか。
システムから考えれば、X軸が逆転して25ドット以上離れたかどうかが基準になるので、跳んだ瞬間に順ガードか逆ガードかは決まっているはず(人間の目で確認しづらいということはあるが)で、ガード不能ということは考えにくい。
ただ、25ドットギリギリ手前で掠るように当たる跳び込みなどでは、
・逆ガードしていた場合…普通に食らう
・順ガードしていた場合…いったんスカって、その後振り向いて食らいにいってしまう
となるようにする、ということはできるのかもしれない(これは、ガード状態とノーガード状態との食らい判定の差も考慮しないといけないので、めくりのシステムだけの問題ではない)。なお、振り向いて食らっているはずなのに外見上は振り向いていないのは、振り向き処理と食らう処理の先後関係かと予想。
Xベガのめくりで「跳んだ後でJ中KとJ大Kのどちらを出すかで、順ガードと逆ガードを振れるか」についても同様と思われる。
25ドットの差を利用した珍現象
横溜め(例えば左にいるキャラが左に溜める)をしているキャラを右にいるキャラが跳び越し、X軸が逆転して25ドットまでの間に横溜めしているキャラが該当のボタンを押すと、レバーを左にしか入れていないのに必殺技が右に向けて出るという現象が起こる。
跳び越しではあまり見かけないが、サイコで突き抜けた直後に起こるのをたまに見かける。
振り向き昇龍の入力方法
めくりのガードの話から少し離れるが、めくりに対して振り向き昇龍を出すにはどうするのがよいのか。
システムから考えれば、X軸が逆転して25ドット以上離れるまでは正面、離れたら振り向き、となるので、入力方法の問題ではないはず(入力方向はX軸が逆転した瞬間に入れ替わっているので、そもそも入力が難しいということはあるが)。
システムの理屈だけでいえば、順ガードになる跳びに対しては正面に昇龍が出て、逆ガードになる跳びに対しては振り向き昇龍が出る、ということになる。
特殊下段ガード
相手との距離により立ちガードできなくなる技についての考察
フェイロンの近立ち大Pなど、相手との距離により立ちガードできなくなる技があるが、これはシステム上どうなっているのか。
→参考:キャラ限定データ
まず前提として、食らい判定は頭・胴体・足の3部位があることを理解しておく必要がある。
その3つの食らい判定のうち、攻撃が足の食らい判定だけに当たると下段になる、というのが基本である。一方、胴体の食らい判定と足の食らい判定の両方に当たる場合、立ちガード可となる。
春麗・バイソン・ベガなど、立ちガードポーズの足の食らい判定が胴体の食らい判定よりも前に出ているキャラは、これの被害に遭う。
→参考:動き・判定編
なお、相手との距離にかかわらず下段になる技については、攻撃判定が胴体食らい判定にかかっていても下段になっているようなので、その解釈については要検討。
これに加え、スーパー以降については他の事情が少し加わる。
というのは、例えばターボまでのケン昇龍は下段になる場合がある(特定の距離でアッパー昇龍を立ちガードさせると昇龍だけヒット)が、スーパー以降はできなくなっているため(攻撃判定は変わっていない)。
調べてみたところ、スーパー以降は「必殺技ダウンになる必殺技は、下段にならない」という条件が付加されるようだ(逆に、必殺技であっても、DGSやレイザーエッジは「大足ダウンになる必殺技」なので、下段になる)。
なお、ケン大昇龍の1段目など、ダウン属性がないときに当たる場合も、これに該当する(立ちガード可になる)。
このシステムがなければ、キャミィのスパイラルが下段になって大変なことになっていたかも。
影縫い
相手の攻撃はレバー後ろでガードすることができるが、攻撃が当たっていなくてもガードポーズをとることになる。この場合、攻撃を出したりジャンプしたりできるが、歩くことはできない時間が発生する。この現象(空ガード)を起こすために通常技を空振る「影縫い」と呼ばれるテクニックは、対戦でよく使われている。
関連のデータをデータ編に掲載したので、合わせて読めば(少しは)わかりやすいかもしれない。
第1ポーズ
空ガードになる場合、ほとんどのキャラでは2種類のガードポーズが発生する(第1ポーズ、第2ポーズと呼ぶ)。第1ポーズの時間はキャラごとに決まっていて、その間は動けなくなる(技を出したりジャンプすることは可能)。その後は、
・第1ポーズ中にガードを解くと、第1ポーズ終了時からノーガードになる
・第1ポーズの後もガードしていると、第2ポーズに移行する
という挙動になる(例外あり)。
なお、「第1ポーズ中にガードを解く」「第1ポーズの後もガードしている」というのは、正確には、第1ポーズの終わる最終フレームの行動を指す。例えば、リュウ(第1ポーズが8フレーム)がガードを1フレームだけ入力し、8フレーム目にガードを入力すると、第2ポーズに移行する(2〜7フレーム目の行動は影響しない)。
第2ポーズ
第2ポーズの時間もキャラごとに決まっていて基本的には第1ポーズの時間と同じ。その間は動けなくなる(技を出したりジャンプすることは可能)。その後は、
・第2ポーズ中にガードを解くと、第1ポーズに移行する
・第2ポーズの後もガードしていると、引き続き第2ポーズのまま
という挙動になる。
これについても、「第2ポーズ中にガードを解く」「第2ポーズの後もガードしている」というのは、第2ポーズの終わる最終フレームの行動を指す。
また、第2ポーズから引き続き第2ポーズになった場合、2回めの第2ポーズ分の間、動けなくなる。例えば、リュウ(第2ポーズが8フレーム)が1フレーム目と8フレーム目にガードを入力して第2ポーズになり、16フレーム目にもガードを入力した場合、17〜24フレーム目までは第2ポーズのままとなる。
以上が、基本的なシステムである。
例外事項
ガイルには第3ポーズが存在する。挙動は第1ポーズ・第2ポーズと同じで、第1→第2→第3→第2→第1、という流れになる。
ザンギエフには第1ポーズしか存在しない。
ブランカ・ディージェイ・フェイロン・バイソンは、第1ポーズのときにガードを解くと、なぜか第2ポーズに移行してから第1ポーズに戻ってノーガードに移行する。また、第2ポーズのときにガードを解くと、なぜかすぐに第1ポーズに移行する(が、第2ポーズが短くなる分だけ第1ポーズが長くなるので、トータルのガード時間は変わらない)。
サガットは、第2ポーズから第1ポーズに戻らずにいきなり動けるようになる(が、第2ポーズの硬直が第1ポーズの分だけ長くなるので、トータルのガード時間は変わらない)。
その他
・ 実際にプレイしていると、「前に歩けるようになるのは早いが、後ろに歩けるようになるのは遅い」という感覚だろう。これは、後ろに歩こうとしているとガードに入っていることになり、第2フレームに移行したり、第2フレームから引き続き第2フレームが継続してしまったりすることの影響かと思われる。空ガードのシステムだけで言えば、前に歩くのも後ろに歩くのも同じ。
・ しゃがみガードの場合も、基本的に立ちガードと同じ。実際のフレーム数も同じ。
・ バルログとサガットは、第1ポーズが素立ちと同じで紛らわしい。
・ 直接関係ないが、実ガードのときは、当たる瞬間に第2ポーズになっている。
同時理論
スト2では、フレーム(60分の1秒と言われている)単位で処理がなされているが、ある1フレームで1Pと2Pでの処理の優先度はどうなっているのか、についてエックスで調査した(全くの予想だが、ターボ以前はこれらの仕組みが異なって、投げハメ関係の差異が出るのではないだろうか)。なお、実験の結果からの推定なので、実際のプログラムでこのようになっているかどうかは不明。
- 原則
-
・各フレームで1Pか2Pのどちらかが優先して処理される。
・どちらが優先になるかはフレームごとに違い、プレイヤー側ではわからない(交互になっているかどうかも不明)。
・優先判定は1フレームにつき2回(2種類)ある。優先判定1と優先判定2とで、同じ側が優先になっているかどうかは不明。
- 優先判定1
-
まず最初に、存在情報関係の処理が行われる。具体的には、移動・ジャンプ・無敵化・投げ・ガード。両者が同時にこれらの行動をとった場合、1Pか2Pのどちらかの処理が優先される。場合により、先攻側が後攻側の処理を打ち消す(特に投げがからむ場合)。
- 優先判定2
-
存在情報関係の処理(優先判定1)が終わった後、攻撃・食らいの処理が行われる。1Pの攻撃判定に2Pの食らい判定が重なるのと、2Pの攻撃判定に1Pの食らい判定が重なるのとが同時に起こった場合、1Pか2Pのどちらかの処理が優先される。先攻側が後攻側の処理を打ち消すことはない(相打ちになる)が、ファーストアタックの場合は先攻側にボーナスが入る。
具体例
前提として、いずれも周辺事情(投げ間合い内、攻撃判定が届く、等)はクリアしているものとする。
- 1.優先判定1どうし
-
(1-1) 両者が同時に投げを入力した場合
⇒1Pか2Pのうち、優先して処理される側の投げが成立(確率それぞれ半分ずつ)
(1-2) 1Pが投げ、2Pが昇龍拳を入力した場合
⇒1Pの投げ・2Pの昇龍拳の成立確率がそれぞれ半分ずつ
(1-3) ジャンプの離陸に3フレームかかる1Pがジャンプを入力し、3フレーム後に2Pが投げを入力した場合
⇒1Pのジャンプ(2P通常技暴発)・2Pの投げの成立確率がそれぞれ半分ずつ
- 2.優先判定2どうし
-
(2-1) 1Pと2Pが攻撃判定発生に3フレームかかる通常技を入力した場合(いずれも転ばない技のとき)
⇒相打ち
(2-2) 1Pと2Pが攻撃判定発生に3フレームかかる通常技を入力した場合(1Pが相手を転ばせることのできる大足払いであるとき)
⇒相打ち、2Pは転ぶ
(2-3) 1Pと2Pが攻撃判定発生に3フレームかかる通常技を入力した場合(1Pが途中で空中に浮く技であるとき)
⇒相打ち、1Pは空中食らい
- 3.優先判定1vs優先判定2
-
(3-1) 1Pが攻撃判定発生に3フレームかかる地上通常技を入力し、3フレーム後に2Pが投げを入力した場合
⇒2Pの投げが必ず成立、1Pの攻撃はヒットしない
(3-2) 1Pが攻撃判定発生に3フレームかかる地上通常技を入力し、3フレーム後に2Pが昇龍拳を入力した場合
⇒2Pの昇龍拳が必ず成立、1Pの攻撃はヒットしない(当該通常技が終わっていなければ昇龍拳がヒット)
(3-3) ジャンプの離陸に3フレームかかる1Pがジャンプを入力し、3フレーム後に2Pの攻撃判定が1Pに重なる場合
⇒1Pが必ず空中食らい
スーパーコンボによる例外
スーパーコンボ(真空波動以外)を出してキャラに集中線が表示されると、同時理論の例外が起こる。例外が発生するのは集中線が表示される最初の1フレームと最後の1フレームで、そのフレームでは相手キャラは1/2の確率で技の入力ができなくなる。内部でどうなっているかは当然不明だが、これについて推測してみる。
おそらく、最初の1フレームも最後の1フレームも、優先判定1で相手側の処理を打ち消しているからではないかと考えられる。つまり、
・最初の1フレーム:スーパーコンボを出した側が優先判定1で優先だった場合、相手側の処理が打ち消される
・最後の1フレーム:相手側が優先判定1で優先だった場合、集中線表示によるストップ中のため相手側の処理が打ち消される
ということが起こっているのではないか。
真空波動だけはなぜかこのシステムがなく、相手が同時に何かを入力していれば、必ずその技が出せる。
通常投げと必殺投げとスパコン投げの優先度
通常投げと必殺投げとスパコン投げで優先度に差はなく、同時に入力されればどちらかが成立する。
たまに、必殺投げは通常投げに優先するという話を聞くが、これは誤解。
ピヨり
連続攻撃などを食らうと、ヒヨコなどが回って気絶する(ピヨる)。このシステムについて解説する。
ピヨるまで
ピヨりには2つの隠しゲージがあり、気絶値と継続時間である。
何か技がヒットすると気絶値と継続時間が加算され、継続時間は1フレームごとに減っていくが、気絶値は減らない。
その後、継続時間が0になる前に次の技がヒットすると、また気絶値と継続時間が加算され、それが蓄積して気絶値が一定値を超えるとピヨることになる。
攻撃が続かず継続時間が0になると、気絶値は0にリセットされる。
上記のシステムは、(詳しくないが)怒首領蜂などのシューティングゲームのコンボに近い。
ピヨった後
ピヨると、天使(60か90フレーム)・星(90か120フレーム)・ヒヨコ(150か180フレーム)・ドクロ(150か210フレーム)の間ピヨり続ける。どれになるかはランダムだが、同じ確率ではなさそう。星かヒヨコの率が圧倒的に多い。
このピヨりフレームは、レバガチャとボタン連打で減らすことができる。調べたところこういうこと。
・ボタン:3種類のボタンを押すと少し減る。同じボタンだと、押す→放す→押す→放す→押すの5フレームかかるが、違うボタンでやれば、A押す→B押す→C押すの3フレームでいい(A→B→Aも可)。
・レバー:レバー入れ→ニュートラル→レバー入れ→ニュートラルの4フレームで少し減る。
回復が早いキャラはこれらで減らせるフレーム数が大きい。
おまけ情報
気絶値加算はランダムがあるが、継続時間加算はランダムがない。
跳び込みをしゃがんで食らうと、継続時間が多く加算される。
ピヨりそうなときの投げは、受け身をしてもピヨる。
ハイパーでは、気絶値・継続時間は攻撃側のキャラ性能に依存する。
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